空はわたしを抱く/
こゆり
見上げた空から
はらはら 葉が
ながれていた
なみだ、かと思った
それは
落ちていたのではなく
夕暮れの空
まっすぐいちれつに
ならんで昇っていた
りょうてから
ふわり、浮かんだことばは
ただまっすぐ
いちれつに
空へと昇る
ふかくふかく
碧い海に戻ろうと
流したものが
なみだ、だったとしたら
たかくたかく
金色の空に戻ろうと
離れていったものは
空は
わたしを
ことばを
抱いたまま
薄くむらさきの闇へ
溶かし込んでいく
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