少女紀行/ヨルノテガム
 
を送ってよこした
女は白いシーツのベッドの中で子どものようにだらけた格好で
寝返りをうった
寝入るまで目はキョロキョロと冒険心を抑えきれなかった
次の日 女は旅へ出た
ガラガラと引く鞄がついてきた
鞄は道端へ放られた
透明な海が女を走らせ、流れ着いた貝殻が
女を内気で懐かしい少女へ戻した
風が影を伸ばす
白砂に落書きを「人魚になるにはどうしたらいいですか」
裸の足形が軌跡を描く
優しくて乳房が透けて
手足の指が柔らかく震えたら
全て真空のまま物語の中へ置き去りにしてやるとよい
女になりたい いつかお嫁さんになりたいと
少女は緑の大地と自然に抱負を述べた

星夜の下
黒いドレスの少女は女神になって
世界中へ生み落とされていった
愛情が照れ笑いして繰り返される営みの中
幸せとは何かなんてこれっぽっちも考えない
微笑をたたえた女が堂々と座り足を伸ばした
そして家を作っていった










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