あの、ね/Rin K
あの、ね
君の語りの中にはいつも海があって
壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
波はいつの間にか言葉になって
こだまする、喉の奥
赤いうさぎを抱いた少女 裸足の足跡が
広がり続ける浜辺に消されて
わたしたち、いつも
帰り道を見失うの
あの、ね
走るのをやめないと
廊下はどこまでも伸び続けるから
目を閉じて仰向けに倒れると
背中が地軸を感じる
きっと螺旋
瞼の上に向日葵が
赤いうさぎはどこへ逃げたのだろう
あの、ね
たった一度だけ君の世界で迷ったら
同じようにあざやかに
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