ソックスチェーンソックス/虹村 凌
 
いて
通りかかったバスに乗って
金色のマルボロで一服入れよう
構うもんか
罰金の5000円を運転手に放り投げて

迷惑そうにこっちを見る奴らに
3回目のおじいちゃんの香典で集めた金を分けてやるんだ
まだ生きてるのは忘れる事にして
そいつらの口の中におじいちゃんよりしわくちゃの諭吉を突っ込んで
肩を叩いて笑うんだ君以外
怒り狂う君はバスから飛び降りて
もと来た方へ戻っていく
僕はバスを降りてもう一度煙草を吸うんだ
「卒業のつもりだけど失敗したぜアイツ」
ってバスの乗客に指を指されて笑われながら
僕も笑いながら
バスに蹴りを入れるんだ

さようなら僕の青春
きっと明日からは毎日毎日
今にも酷く朽ち果ててしまいそうな
赤茶色に錆び付いた鎖を引き続けるよ
グローブが無いから靴下を手に巻いて
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