ひとつ ひらく/木立 悟
 
をふちどるこがね


小さな黄緑のふくらみが
誰にも到かぬ言葉にあふれ
笑みの手から手へとわたされ
小さな黄緑のふくらみに揺れ


指のかたちに震える声を
幾度も口に含んでは
羽は燃える紙の原
骨の原を越えてゆく


銀の火に沈む水紋を
唱の波がすぎてゆく
くさくちびるはなひかりみみ
とどかぬことのはさきひらけ



















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