シナモンロ-ル/COCO
ていないのよ
とっても泣きたいのに 涙も出なくてね
ただ深雪の季節みたい 研ぎ澄まされた冷たい空気が私の身体を包んでいるの
何だか今日は 白色が限りなく白くてね 他には色がなくて それが妙に現実的なの
たまらなくなって 私1人ボ-トに乗ったわ
これがあなたの見た私なのね
だけどしなやかに伸びた木枝にぶつかっちゃって
ボ-トは止まってしまったよ
ため息ひとつ
「あなたが前にいたらこのボ-トは…」
なんて黙って呟けば
私はまるでこの池に浮かぶ悲しみのオブジェ
そのうち鳥たちが頭の上で
優しい歌など歌い出してしまい
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