さようなら/
Etuji
草の葉が
風にゆれて
風景と対峙する
その葉のさきに
とまる爬虫類の眼に
やどるのは人だ
さようなら
葬列のむこうへ
風はゆくが
寂寥とした気配に
残されたものは
石積みの塔となり
忘却のきわでふみとどまる
さようなら
虚空へつきだされた
からの椀を
もはや海でさえ
満たすことはできない。
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