地中の根/山崎 風雅
人は寄り添い歩くもの
でも頼りになる人がいつもいるとは限らない
知らない街を一人歩いた青春時代
守られ守り強くなり弱くなり
繋がっていると信じることこそ本当の強さ
目に見える世界なんてちっぽけなもの
見せかけの枝葉ばかりを見て騒ぐのは
いい加減やめた方がいい
その地中で伸びゆく根は
未来に実る実を夢見ている
時代が人が悪いなんて僕は思わない
見えない地中では養分を吸い上げる根が
確実に伸びているのだから
諦めよと風は囁くかもしれない
未来なんてないなんて悲観する天気の日もあるだろう
間違いを許されずやるせない季節もあるだろう
でもでもでも
だいじょうぶなんだ
今日この時にも僕達の根は確実に伸びている
たとえ誰の目にも見えないほどの少しの成長かもしれないけれど
想像しよう
地中奥深く僕達が花咲く日を信じて伸びている根が
希望の歌を歌っていることを
未熟な枝葉を見て笑う人を笑ってやれ
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