ひかり/石畑由紀子
、も、 《対象のせいではなく私の、
《絞りの故障です、
《故障です、
先端と呼ばれることにあらがい
切れたままの糸をにぎり闇へ逃げこむと
産まれない私の産声が、さびしく
わらうようで
まぶしさは悪さをしない、だから、
まぶしさは、
まぶしさのまま眼球の向こうに、
とりこむのです、そして私が発光すること、はまた別の、
はなし、
白線の上で動かずにいる私にかまわず
走り去るひかりの群れ
今日も
騒がしい昨夜の手紙を指先で消火する
書いては消し
書いては
消し
産まれない私の産声を 《発光して、
私が
ただしく照らすまで
《発光、
《して、
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