熱情/六九郎
 
小さいときの彼は
割と人見知りのほうだったと思います
竹棒の先に白墨挟んでね
線を引きながら道を歩く
不思議とそんな遊びに熱中するような子でした
長々と続いた白線を振り返って
嬉しそうでね
いつもポケットに教室から持ってきた白墨
何本も入れてましたっけ
ぼんやりとして何を考えてるのか分からないし
友達は僕以外いなかったんじゃないでしょうか
そんな彼が何を思ったかわき目もふらずに勉強を始めたのは
確か高校に入ったすぐぐらいです
みるみる成績も上がって
そりゃもう僕なんかすぐ抜かれちゃって
それどころか結局東大に合格しちゃうんだから
びっくりしてましたよ先生も
それか
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