フランクフルト号、大暴走/082/ピッピ
華やかなファンファーレ
消えてゆく紙テープ
ふり返ればだれかの足跡が
僕らの歴史をじゃましているのだった
生きているのに目標が必要だということは
呼吸をするのに目標が必要だということ
ああ、こんな箱舟は要らないのに
底が抜けたら彼らはどういう顔をするだろう
いっそ指さして笑ってくれたならば
僕らはもとに戻れるのに
揺りかごの上で眠りにつけば
見るのはいつも悪夢ばかり
大金を手に入れる夢だとか、
天才になる夢だとか
ここではそんなものいらない
水の上で生きるには僕らは脆すぎる
ああ、水面の上と下では
どちらが苦しいのだろう!
かなしみをそねんで僕らは海にかえる
門限はないから僕らの見る海はいつもくろい
たえ間なくコピー機の音が鳴っている
クリスマスが死んでいく時と同じように
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