正直な貴方/ユキムラ
 
「        」



―――そう、少し、はにかんだ笑顔で話す貴方が愛おしい。


貴方は時々、あたしの前でもお父さんになる。
そんな裏表の視えない貴方だからこそ、あたしは好きでいられるの。

ずっと此の儘・・・なーんてウマイ話は無いのだろうけれど。

せめて、今だけは・・・・・・




順番を付ける事を嫌う貴方。
けれど一番は娘で二番は自身、三番以降は決して云わない。

優しいんだね。

聞きたいけれど聞きたくない、本当の事。
聞いたらきっと、心が痛くなる・・・


想うって難しい。大好きって難しい。
『好き』は聞けても『愛してる』は聞けない。

それが正直な貴方の答えなのかな、
って独りごちて寂しくなる。



ねぇ、涙が溢れそうになるのは如何して?
戻る   Point(0)