開く扉/ゆきのかけら(翡翠)
 
何者にも代えられないもの
はじめて知った気持ち
ざわめく事ばかり
変化を求めてばかりいた
そんな僕に

平凡という退屈な束縛すら
愛しく思えるように
離したくないと縋る迄に
変えてしまった
そんな君

何の魔法もありはしない

そんなの
信じられないくらいに
デジタル化し
夢を排除した
規律まみれの
この世界で

けれど
魔法としか言い難い
夢と見紛うような
君の言葉の羅列
溶け、染み込む体温
何時もの様に
静かに巡る血液にすら
気付かない位に
振り切れた衝撃

きっと心も
もうロックを外し始めて
畏怖しながらも
君からの思念と
[次のページ]
戻る   Point(1)