あめあがり/ゆるこ
 
音だけに
すがる僕が 丸裸で生まれました
 
 
本当は知っていた
歪な模倣まみれの僕を
誰が愛してくれるのだろう
 
呟く言葉は石のように重く
川岸にどんどん溜っていきました
体に纏わりつくオブラートは
糸のように残像を生み
堅い堅い繭の中で
僕は雨を飲み込みました
 
 
 
 
太陽が燃え尽きるほど行き来し、
世界が終わったと思った日に
妖艶な雲が立ち込めていることに
ひっそりと繭越しに気付いたのは、
穏やかな雨が、糸をほぐしていくのを
体中で感じていたからです
 
その日生まれた僕は、
黴だらけの体を空に向け
大きな欠伸を
一つ、かきました
 
繭の回りはどこまでも青で
僕は初めて救われた気持ちになったのです
 
 
 
僕の点線は二十個目で終わりです
僕の道は酷く不鮮明です
僕は雨のなかで
僕の世界を見つけました
僕の命が傾いた朝
目覚めた青が笑いました
 
 
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