光る欠片、輪廻の種子(たね)/ゆきのかけら(翡翠)
 
"おはよう
生まれてきた
小さないのち"
これから始まる
輪廻の巡りに
母親は
一つだけ
欠片を落とす

それは
キラキラして
鋭くて
暖かな光を持つ
でも
歪な形に
削れて光る
硝子玉のような
欠片

…小さなあなた
あなたには
まだ分からないかもしれない
けれど
ある時にきっと分かる

触れ合いながら
暖めていく
営みの中で
あなたの欠片が
その先の破片を思った時

それは
目眩のするように
鮮やかで
息が詰まるほどに
苦しく
気の遠くなるように
甘く
そしてかなしい

途方もない位の
切な
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