彼女、清潔につき有毒/木屋 亞万
 
違う
安定して流れる水と
流れを真似る泥の差異
一粒の砂粒でもあれば
異物となり流れを乱す

黒髪が陽光に照らされ
肌は微かに発光している
羊水に似た懐かしい色
鋭利な指は優しさをも
包み込み周囲に与える
彼女は気付いていない

僕が勝手に追い掛け
彼女から受け取っている
目を閉じて走れず
世界を見て走れず
彼女を見れば走る事が
可能になるのだ、けれど
それは、過ちの始まりで
僕は毒を浴びるように

毒が蓄積してる事
気にしないで走る
わかっている事に
気付かないで走る
砂が胸に詰まって
苦しくなろうとも
浴びるように、彼女

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