彼女、清潔につき有毒/木屋 亞万
 
彼女の潔白な素肌、
ずっと透明なまま
水面で服の中身となり
日々潤いを保ちつつ
日々最高の状態に更新、

白く淡く蒼く細く
叩くと高く響くだろう
手足は長くしなやかに
大きくわずかに鋭く
輪郭は優しく照る

つい先刻まで硬い
殻に守られていたような
剥き出しの脆さに
烈しく本能は刺激される
抑えきれない渇きを
満たす方法のないまま
舌を巻いて叫び喚く
目の前に肌越しで水分

きっといつまでも
美しさは保たれて
日に日に艶めかしさは
増していくのだ、ずっと
離れず傍に居たくなる
依存する性質に変質

汚れしかない我が身が
洗練されても格が違う
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