あかさたな限界/
AB(なかほど)
思い出を右から左に
並べて行く
海の見える場所に
家を建てた
波の音が聞こえ
潮風が吹いて
ウミネコでも鳴けば
と思い続けてもう
ペンキもはがれてきたのに
ぼくの昨日は消えないままで
ぼくらの明日が消えてゆく
砂浜はやせてゆきながら
やがて
鳴くこともできなくなる
思い出を右から左に並べて行く
君が泣けないうちに
あ から ん
まで
先にくずれてたのは僕のほう
即興ゴルコンダより
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