桜が逆さまに空から落ちてくる天気の良い昼下がりに/しめじ
を色んなところに突っ込んでは、肥だめの掃除をしている。頭が水っぽいので外苑通りをジグザグに行進していると、窓ガラスがすべてトンボでできたビルがあるのでちょいと城主の顔をのぞきにと、上酒を片手に千鳥をしている男女を脇目に見つつアイバンクに登録した眼球をひとつちょうだいしてあめ玉のように転がしながら「瀬をはやーみ!」なんて崇徳院さんの歌を口ずさんでいる城主に首肯。立派な物ですね、足下にはマグロが大量に産卵をしていて、ミシンがニワトリの羽をむしっている。大音声をあげてかけだした私は、トンボの窓へ激突、転落し、空を見上げる。空には桜が逆さまになって落ちていて、私も逆さまになって、夜叉ヶ池に映るつるべの絵を想像しながら、くるくるときりもみを続けて空へ落ちていく。バラが太陽を飲み込んで、大地はマンゴー。春だね、君。
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