それはとてもめずらしいかたちをしている/ホロウ・シカエルボク
 

それでも僕が君の手をとるのはきれいな気持ちでもなんでもなく
ただそこに君がいて欲しいからで、つまり
理由がどうのって話じゃないただの僕のエゴというわけなんだ
僕らはときどき流行のドラマを信じるみたいに
互いの気持ちにワックスをかけて光らせようとする
だけどそんなことは本当はどうでもいいことで
僕はむしろ君を思うことで自分の中身がどれほど汚れたものを抱えるのかという部分を
正直さと呼んでもかまわないと考えるんだ
悩まなくなったんだ、そういう気持ちを肯定すると…刹那的だって君は言うかもしれないけれど
刹那だって連続すればいつかは永遠にだってなれるかもしれない(もちろんそれは僕らが
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