僕が呟いている傍で叫ぶのは誰だ/くろね
 
桜色の空
其処に揺蕩う風
向こう見ずな春が
騒ぎ立てている

降り出した雨
冷たさに躊躇う僕
ビニール傘から透けた
世界は輝いていた

想像以上の現実は
常に狂ってる

言葉を啄ばんだ鳥が
夢の中をしめやかに飛ぶ
その刹那さに僕は
耐え切れず息を吐いた

誠心以上の真実が
明日も来るってさ

濡れた木々の玄さに
浮いた色の艶やかに鳴る
その煩さに僕は
涙して目を閉じた

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