「雪融け」 (青年詩片)/ベンジャミン
 
ちの一つに

すべてを込めて融けてしまいたかった


 四月 (始まりの季節に僕はさまよう)


春ももう終わりを告げてしまう

昨日降った雨には
そんな匂いが混ざっていた

いつもそう
季節だけが先に行ってしまうんだ

この深い寒さを
そのままにして

記憶の中に消えることのない

あの深い冷たさを
置き去りにして

季節だけが

いつも先に行ってしまうんだ

           
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