演奏会/
Etuji
地平線の向こうに
沈みゆく陽の輝きをうけて
盲目のピアノがある
そこから
三歩先に
思い出を失くしたチェロが腰掛けている
盲目のピアノと
思い出を失くしたチェロとの
ちょうど
五歩先に
歌詞を忘れた
バラの花が立っている
わたしたちの誰も
ここが砂漠だと気づかない
もう長い間
欲望という名の拍手を送りながら
開演をまっている
それにしても
なぜ
こんなにも
落日に輝く生が
美しいのか。
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