鯨/
yo-yo
山国で育った
目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった
そうやって彼は
ときどき山を越えた
どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
海のかたちをなぞる
きらきらとしんしんと
星が流れた
まぶたの裏に
だいじにしまい
しまい忘れる
いつしか
目をあけても
海がある
もういちど目をとじると
とおく鯨のように
山があった
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