春はワンピースを着て/
森さかな
墜落するくだものたちをあなたは笑って見てる
白い砂をびんにつめるのはながれだしたときの音が美しいから
二年生の教科書に書き込んだ虚像はわたしによく似ただれかのわたし
きっとそれはもう捕まらないの去年の燕
菜の花にわたしと彼女は溺れたい朝
光をゆびの四角におさめてわたすよあなたの手と手わたしの手と手
繋がらないことが救い
赤と黒の真新しいせなかを数えてる
あのなかをまたくぐりたい昨日の桜のもり
二人だけの季節見つけた
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