嘘/城之崎二手次郎
 
 三年前、僕は女になりすまして出会い系サイトに登録するという遊びをしていた。暇な女子大生という設定に、何十人もの男がくいついた。適当に相手をしたあとで、「言い忘れてたけど、俺、男なんだよね」と打ち込む時が快感だった。そんなある日、たまに遊ぶ男友達から「気持ち悪い。普通に書け」というメールが届いた。何のことだと思って送信メールをたしかめると、「ねぇ、今度遊ぼうよ。楽しいこと、いっぱいしよう」と書いていた。

あとがき。
二〇〇字物語第三十三弾。
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