霧に恋した/soft_machine
こか遠くへ誘う
押し入れの奥で見つけられる時を待っているねずみの骸
花壇の下で色白い節を伸ばしはじめた団子虫のこども
最後にこの胸に乗って眠ったのは
黒猫さ
内緒話が好きなのは
いつまでも大切にしていたいことが
遂には思い出せなくなってしまうからよ
それが一時わたしの詩をつくる
そんな歌を聴いたのはいつだっけ
いくつになっても
一番大切なものは決められない
*
くずかごいっぱいになったからビニールに移して
ゴミは真夜中までに出さなくちゃなんない
シャッターが落ちないカメラ
小さくなったグローブ
鳴らないシンバル
言い訳めいた純粋さ
い
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