さいごのしじん/ゆるこ
悶々とした舐めるような空気の中
うっすらと汗をかき、ほてった頬を林檎にした
空白に紫煙を撒き散らし
群青色に染まった人々が次々と電車に飛び込んでいく最後の日
盲目の少女が一羽の鳩の首をしめた
赤い放物線が
雨上がりのような爽やかさの中飛び交う
鳥か、人か。
分からぬまま。
五百万画素の鋭利な映像が
目の前を何度も何度も遮り
なんとなくカレーを食べたくなったのは
ここが池袋だからかもしれない
こんな美しい最後の日に
私の下は血を吐いて
当たり前の自然の摂理が
やけにリアルで泣けてきた
揺れるのは
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