乾性/あおば
 
なったのに
気がつかない
(虚け者だが
(0の感覚は有るようで
(後戻りする気は無いので
身軽なままで立ち往生
(北を指す星の燦めきを
(覚えているか
(覚えていたら君たちは
助かるのだと
(遠くのピアノが鳴っている
ピアノが鳴るから
ここはダマスカスの郊外の乾性な砂漠では無いようだと
状況証拠を突きつけられた陥穽が
逃げ道を塞がれて
砂が溜まって浅くなり
見た目は砂場のようになっていて
相撲力士が山稽古
(はっけよいのこったと
行事まで連れてきて
かけ声で建てる高層住宅
(立つ前に
足場が崩れて陥穽は奈落の底に落ち込んで
(目に
(見えなくなり

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