あなたのこえ/安曇璃夢
それはけして腐らない
それは流れる存在(モノ)だから
森のなかをめぐる
潔い空気のような
冷ややかで静かなる感触でありながら
体のなかをめぐる
熱い血流のような
雄々しくも力強い鼓動を感じている
甘くも くどくない その声に
流れて 流れて 浸されていく
全てを 侵食する その声に
全身が 全心が 侵されていく
こんなにも...嗚呼...
こんなにも...私は...
あなたのこえに
恋焦がれているの
―深く 深く 入り込む あなたのこえ
それはこんなにも心地良い―
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