素敵過ぎる夜明け/紫音
見えず触れずただ信じることだけで生きているなら
ルイスの書く世界だって信じられるさ
そこにはアリスが見るものなんて何もなくて
もしかしたら六本木なのかもしれないのさ
場末のシネマみたいにね
現実と創作とは紙一重で表裏一体で区別なんか付かなくて
街が広すぎて孤独だから泣くのはきっと
女じゃなくて男だったりするわけ
夜更けに目を覚ませば
聞こえる寝息が夢の続きを見せてくれる
寝息は鐘の音のごとく鳴り響き
二日酔いの頭で反響していたとしたら
悪夢の続きだって見せてくれるに違いない
ステキな神はサイコロを振りもしないし
何かを決めもしないから
いてもいなくても
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