アナグマさんとマッチちゃん/縞田みやぎ
。
アナグマさんはガウンを来たままでしたが、もうだいぶ体調もよいようでした。
マッチちゃんはフランシスと一緒に石炭を暖炉に放り込み、食事のお皿を並べました。
「やあ、今日はずいぶんとがんばったんだね」
アナグマさんは、マッチちゃんの白いエプロン姿に目を細めます。
「無理をさせてしまったなら申し訳なかったね」
スープはとてもいい匂い、お部屋はぽかぽか暖かく、とてもゆったりとした気持ちです。
「ううん、ううん。無理なんてこと少しもなかったわ。とっても素敵な一日だったわ」
「アナグマさんよりも上手にできること、あたしいっぱいあるって知っていた?
あたしはね、世界でいっとう、すてきなマッチなんだから!」
なぁお、なぁおとフランシスもうなずきます。
アナグマさんはスープをひとくち飲んで、にっこりとわらいました。
「うん、うん。私はね、よく知っているよ」
眠る前にはいつものように、みんなでマロー・ブルーのお茶を飲みました。
マッチちゃんもアナグマさんもフランシスもそれぞれの役目をつとめて、とても、しあわせでした。
戻る 編 削 Point(3)