バレリーナの爪先/新谷みふゆ
 
滑るように動く羽には じっと堪える足元が
爪先は息を殺し空に憧れる
バレリーナの脚をして 彼女は今日も笑った

三日月を捕ろうとしていた小さな女の子は
或る日欠けた場所を知り 深さに気付く
どれだけのものを彼女は受け入れているのだろう

三日月が描く円の中であたしは大きくなった
神経質な棘は何度も彼女を困らせたろう
宥めて宥めて 優しい手は血を流し棘を抜く

真っ白な扉を開けた向こう
白梅の香りが包む
彼女はいつもバレリーナの脚をして
あたしを呼んでくれる


好きだったと云う浴衣を解く手は迷いがなくて
傍で寝転ぶあたしの髪を撫でては
バレリーナの脚をして 
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