桜/山崎 風雅
零れ落ちた想いが過ちのシミを残す
責める人ばかりで
生きていく資格が奪われていくようだ
人はそんなに強くない
独りで生きていくにはこの社会は冷た過ぎて
いつか心は凍死するだろう
垣間見た快楽の中に救いを求めても
虚しさばかりが募る
気休めの言葉なんてすぐ冷めてしまう
本当の暖かな想いしか
この胸には届かない
僕はそんなにお馬鹿じゃない
立ちあがらないこと
あきらめることが一番の罪
心無い人が住む街
その街に咲く桜
桜がどれだけ冬の寒さに耐え忍んで
この春にみごとに咲き誇っているか
絶望を乗り越えた人にしか分からないんだろう
だから桜の美しさは胸元まで迫るんだ
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