夜桜/
舞狐
私だけを歓迎しているように感じた
夜桜の思い出は
これだけにしよう
なんて思った
今 この瞬間を心にしまい込み
これから先
見るであろう夜桜は
みんな脇役にしてやろう
って決めた
生きることに疲れ
お互いを知ろうと思えば空回り
そんな悲しい時代に見た桜
やるせない母と
淋しく孤独な私の
なんとなく接点
一番近くの遠い親子の
綺麗な思い出の桜
言葉はない
ただ
目の前の桜に見入る
母と私
それが夜桜の思い出
遠い昔の話
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