遠い風景/Etuji
 
陽炎のなかでゆらぐ
私を呼ぶ声がする
ふりむくと
呼んでいる私がいる

陽が奈落へ落ち
街が色彩をなくしてゆく
すべてが風のながれのなかに消えようとする
きっと思い出されることのない風景

その遠い風景のなかから
私を呼ぶ声がする
たしかに私を呼ぶ声が聞こえるのだ。

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