音楽的詩論 一限目 「君が代」/風見鶏
 
は、売国奴と名高い筑紫哲也に意味も無く絶賛されていた。)

 ロックが右か左かと問われれば、それは間違いなく左だし、パンクロックはアナキズムにも通じる。
 ただ、そんな中で清志郎の『君が代』を、単なる反体制的な、或いは反国家的な思想と切り捨ててしまうのは、余りにも簡単で、そして余りにも安易な事であると言わざるをえない。
 忌野清志郎の切り開いたパンクロックの舞台は、情けないほどの自己愛と自己肯定の上に成り立っているし、だからこそ彼は多くの人からリスペクトされ、そして愛されている。
 そんな彼が安っぽい体制批判をして愉悦に浸るような人物かと言われれば答えはNOだ。

 君が代の詩を
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