まっているのにまだ来ないひとかけら/因子
きっとまだ、終わりではないのだ。
わたしは何をゆるされていて何をゆるされていないんだろうか
わたしはひとを傷つけることをゆるされていない、
ほんとうにそうだろうか
わたしはひとをあやめることをゆるされていない、
ほんとうにそうだろうか
羨望が嫉妬になり
嫉妬は哀れみになった
そして哀れみは羨望になった
わたしのうたったことばは屑であり
わたしのわらったことばは
わたしに突き立てられた
いくつもの交錯する現実のなかで
ただ息をするひと区間が
わたしには必要だった
きみはそれでいい、
ただ呼吸をするだけの日常をわたしに手渡して、
いなくなればいい
まだ、終わりではない。
まだ生きているから、終わりではないのだ。
まだ。
戻る 編 削 Point(2)