音楽の道/葉leaf
)鳥が叫んでいた、音楽の道。(僕はその先に小屋があって、小屋はビルの一階になっていることを知っている。沙漠の拡大は羞恥心により妨げられている。ビルの屋上から沙漠は始まった。音楽が細く放射していく、僕の眼球。小屋の中、椅子の上にはもう一つの椅子があり、鳥の叫び声を保存している。モンシロ鳥。僕は道の脇の木々に、幹の曲がり具合について尋ねる。幹がどれだけ社会へと曲がっているか。鳥の色を記憶しようと力んでみたら、鳥の記憶が色になって細く放射していく、僕の眼球。ビルは9階建てだ。僕は自分に体があることを感じながら、沙漠の砂の中から完全な立方体を探し出す。小屋の板戸は木目を重ねてできている。)木々の葉は黒い、
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