十二歳の死/
宇宿一成
死んでお詫びをします
そういって飛び降りた
卒業式で
大好きな学校、というべきところを
大嫌いな学校、といったのだ
責められても
大好きな、とはいえなかった
心を伏せて好きということができなかった
12歳はいったい誰に
お詫びをしなくてはならなかったのだろう
そんな記事を片隅に載せて
新聞紙が強風であおられ
駐車場のフェンスにはりついていた
学校が嫌いだという言葉が
死で償われたとしたら
その死を贖うものは
いったい何だろうか
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