透明人間/桜 葉一
 
初めはそりゃ嬉しかった。
本当に透明になることができるなんて夢にも思わなかった。
なにをやってもばれない、悪戯のしほうだいだった。

女湯を覗く事も簡単だった。
小学校の頃僕をいじめてた奴にも仕返しした。
本気で怖がってる彼らを見て、僕は心の底から楽しんだ。

それからも透明人間になって沢山悪さをした。
普通でいるときより、透明になっているときのほうが多かった。

やがて回りから僕の存在は忘れられた。
僕は本当に透明な存在になった。
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