海は雨で荒れている/
ホロウ・シカエルボク
かった
「さっきほどじゃない」
はあぁ、とながいため息、きみは段々の堤防に腰をかけて傘をさす
「食べましょう」
「雨が降るよ」
そんなのはいい、ときみは言う
「そんなのはいいのよ」
ぼくは、わかったのかわりにうなずく
「ハンカチを敷きますか?王子様?」
ぼくは答えずに
どっかりと腰をおろす
きみは
おもしろくなかったみたいにしてる
突堤で
海の先端がくだけた
すごい音だ
すごい音だね、きみ
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