立葵/天野茂典
 
    

     




           


     立葵が咲き出すと
     もう夏休みがみえてくる
     風が透明になって
     夏の陽射しがぼくをわくわくさせる
     すべてから開放されて40日間ぼくは
     自由の身になるのである
     そこには無限の時間がながれているように
     おもわれる
     立葵がさきだすとぼくの日記帳は白紙になる
     ぼくは自由だ
     バイクに乗ってぼくは旅にでるだろう
     思いのままに熱したアスファルトの上を
     あてずっぽうに走るのだ
    
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