高速道路/ever
 
こんなに長いアスファルトを簡単に置き去りにしていく

作ったら大変だろう

ずっと向こう側の真っ暗闇の中の木々たちは何を考えているんだろう

あっちに行ったら恐いけど 車が勝手に進んでくれる

窓越の僕はずるく守られているんだ サファリパークのバスのように

父さん、母さん今日は楽しかったよね? 何もしゃべらないから疲れているの?

黙っている一人一人を知っているかな ラジオの女の人の声には自信がある

反対側の車たちはちょっと触れられない勢いで颯爽とリズムよく通り過ぎるけれど 

こんな静かな僕たちのその一つなのかな

サイドブレーキとため息

「着いたぞ」

ドアの開く音を合図に僕は自分を後にした



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