【短歌祭参加作品】第一話たましいリセット水たまり新しい笛さようなら着/本木はじめ
 


リセットと書かれたインターフォンを押す顔も知らない恋人の笑み



はじまってしまう毎朝第一話今日も繰り返しましょう昨日



着実に春は予感を追い越して気づけば葉桜ばかりの恋路



空をかき混ぜる方法見つけたと春の水たまりの中はしゃぐ



笛の音に導かれるまま森へゆくあなたのゆびとくちを探しに



さようならいづれ廃墟となる駅で微笑む記憶喪失の薔薇



懐かしいいつかの誰かのおさがりのたましい抱え歩みだす春





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