ご挨拶/千月 話子
 
しも時々面倒を見た


月日が経って 隣の坊が5歳になった頃
わたしの家で昼飯を食べていた
「黄色いたくあん 沢山たくあん」
妙な歌を歌いながら 坊は始めて
たくあんを食べたんだ 茶を飲みながら
「ほんとに甘いんだなぁ」ニコニコ笑って


遠い昔の出来事がふぅーと頭にやって来て
ああ と微笑む顔を見た
坊は しまった!という顔で
肩を少しすくめたが
わたしは ああそうかい
と 軽く頷くだけだった

もっと たくあん沢山お食べよ






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