フレーム/
水魚
土のにおいなど忘れていたのだった
お隣りはもう長いこと空き家なのだって
気付かなかった
きっと幽霊の親子が住んでいたんだよ
瓦礫になった
こんなに広い場所だったのだと
足は止めない
振り返らない
踏み切りの向こう側
足場に切り抜かれた空に小さな雲が見えたのだった
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