ゆっちゃりなひと/恋月 ぴの
でみたい
道ばたの切り株とかに腰掛けて
ずきずきする足首を労わってあげよう
やめちゃおうかな
そんな弱音は心地良すぎるから
しばし悲劇のヒロインになりきってみる
わたしって可哀想すぎる女だものね
よっこらしょ
こぎはじめのペダルは重すぎて
切り株から腰をあげたことに後悔したりするけど
それでもこぎだしてみれば
足早な春の雲には追いつかないにしても
暖かな風が背中に回りこんで
わたしをぐいっと押してくれる
りんりんりん
ゆっちゃり気分でどこまでも
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