ゆっちゃりなひと/恋月 ぴの
 
なんだかこぎ疲れたから
ちょっと立ち止り休んでみる
無理してこがなくとも良いのだと
あなたは諭してくれたけど
途中でやめるなんてことできなくて

意固地になんかなっていないよ
こぎ続ける宿命を受け入れただけのこと

とことこペダルをこぎながら
空を見上げてみれば春の雲が足早に流れて行く

そんなに急いでどこまで行こうとしているのだろう

わたしの走る先は
遥か遠くって訳じゃないし
急いでいるって訳でもないから
ちょこちょこ休みながら
ゆっちゃり気分で

それだってこぎ続けることにかわり無いし

この上り坂を越えられたら
今度はもう少しゆっくりと休んでみ
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