野菜と雨/
唯川
緑黄色の筋を辿る
しかつめらしい顔をして
二週間前に脚の折れた椅子が
涙を堪えながら
回収のときを
ベランダの外で憂っている蝉と
夕立を待つ
蚊が
生きようとする
私も
生きようとする
遠くない緑地が削り取られた
叫んでいる土砂
私はキャベツを噛みながら
ビニールハウスを思わない
雨だ
眉をひそめるのは止めて
もう少しだけしかつめであろうと決める
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